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[トークセッションアーカイブあり]積み上がった強みが次の道へつながる〜プログラマーからその先へ〜 |とりいゆきさんインタビュー

#女性エンジニアインタビューblog

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当社のビジョンは、『「なりたい」を解放する』
ジェンダーギャップのあるIT業界で、女性・ITエンジニアがチャレンジを続け、自分の「なりたい」を解放することを応援しています。

このインタビューシリーズでは、女性・ITエンジニアとして現在ご活躍されている方に、現在に至るまでの失敗やバイアスからのしくじりなどをお聞きします。

読者の皆さんが、「こんなにすごい人でも、こんな葛藤があったんだ!」「こんなキャリアもあるのか、楽しそう!」と参考にできるような記事をお届けしています。

今回はシリーズ第16弾です。(過去記事バックナンバー

今回お話をうかがったのは、NPO法人Waffleでカリキュラム・マネージャーとしてご活躍中の『鳥井雪(とりい ゆき)』さんです。

「15年続けた現場を離れるのに不安があった」と語るとりいさんが、それでも新しい挑戦へ踏み出した背景には何があるのか。また、テクノロジー業界のジェンダーギャップ解消への思いについても、お話しいただきました。

どうぞお楽しみください!

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🎉記事のリリースを記念して、トークイベントを開催いたします。
記事には書けなかった内容など深掘りしていきますので、ぜひご参加ください!
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プログラマーからカリキュラムマネージャーへ

ーーこれまでのお仕事とこれからのお仕事を教えてください。

つい先日まで、SESという職種でした。

SESは企業の開発グループにお手伝いとして参加して開発を進めていくポジションで、短いと3ヶ月、長くても1年くらいで一つの現場が終わって、次の現場へ移動します。例えば医療系の処方箋のシステムだったり、ECサイトの決算や在庫管理のシステムだったり、ちょっと変わったところでは辞書の検索UIを作ったりと多様なジャンルや開発現場を経験できるのでその度に学びがあるんです。

SESの仕事はとても好きで15年ほど続けてきました。

そのかたわら取り組んできたのが、女性がもっとこの業界に進出して、ジェンダーバランスを取るための活動です。

その中の一つが、Rails Girlsという、Railsで1日でWebアプリを作るワークショップを通じて、女性をテクノロジーでエンパワメントする活動で、その縁をきっかけとして海外の「ルビィのぼうけん」シリーズ(リンダ・リウカス 著 / 翔泳社)という子供のためのプログラミング絵本の翻訳を担当しました。約1年前には日本の小学校中学年向けに「ユウと魔法のプログラミング・ノート」(オライリー・ジャパン)というプログラミングの考え方を学ぶ本も上梓しました。

10月の半ばに転職して、NPO法人のWaffleでカリキュラムマネージャーとして働く予定です。

Waffleは、女性やノンバイナリーの子供たちにとってIT業界に進むための機会が相対的に少ない状況を改善して、テクノロジーの世界でのジェンダーギャップを埋めていこう、というのを趣旨とした団体です。

その中でどんな機会やカリキュラムを作って行くと効果的な学習になるかという観点で計画立案実行まで行っていくのが業務内容です。

「ルビィのぼうけん」シリーズ著者リンダ・リウカスさんと
「ルビィのぼうけん」シリーズ著者リンダ・リウカスさんと

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試してみることで不安が解けた

ーーSESのお仕事は好きだと前述されていましたが、現場を離れることに不安や寂しさはなかったのでしょうか。

とてもありました。
コミュニティの中で自分がプログラミングをしている人間として名乗れなくなるんじゃないかという不安は大きかったです。

でも、仕事でプログラミングをやっていなくてもちゃんとプログラマーの人って世の中にはたくさんいるんですよね。GitHubやOSSのおかげで良いコードを見ようと思えばいくらでも見れるし、なんだったら自分でコントリビュートすることもできるという状況は職業に限らず開かれているので、やりたくなればやれば良いか、と気づきました。

加えて、実際Waffleで使われる大学生向けのカリキュラムを作ってみたところ、分かりやすくする、今求められている学習内容を提供する、この目標をクリアするためには何を教えてどんなカリキュラムが必要か、というのをいろんな人と検討しているともう自分が知っている今までの技術スタックだけじゃなくて新しい挑戦をしなければいけないことを実感しました。

具体的に言うと、これまで私が扱ってきたRailsを教えるのではなくPythonでプログラムを教えようとか、それぞれの受講環境の中で一番つまづかない方法を考えよう、とかいろんなチャレンジがあって。プログラミングとしての新しい事柄を、私自身学ぶことも仕事の一環として存在しているなと言う感触があって不安が減っていきました。

意義を信じられる活動に全力で向かえるのが楽しみ

ーー現状女性エンジニアが少ない要因はどこにあるのでしょうか。

今少ないから、少ないという構造だと思っています。

今の社会の中でエンジニアは男性の方が比率が高いので、それを見ている社会やこれから進路選択をする子供たちがそういうものだというメッセージを知らず知らず無意識のうちに受け取ってしまっています。さらに、少ないために女性の働く環境が整いにくく、評価もバイアスがかかります。

まずは人数を増やすことや、女性でエンジニアになるという道もあるよ、と示していくことで、ジェンダーの偏りを減らしていきたいなと思って活動してきましたし、これから一層力を入れて取り組んでいくつもりです。

ーー新しいキャリアに向かって、ワクワクしていることはありますか?

今まで、本業との兼ね合いを考えてバランスをとりながらやらなければならなかった活動に全力で取り組めるのはとても楽しみです。求められている役割に対して自分の持っている知識やスキルだけでは全然足りないので、たくさん勉強もしなきゃならないしチャレンジも多いんですが、その分新しいことをやれるし、意義をちゃんと信じられることはとても幸運に思いますね。

ーープログラミングを学ぶのはどんな方におすすめですか?

プログラミングで重要な位置を占めているものの一つに、言語能力や言葉で物事を抽象化できるかという点があります。私自身、元々本屋さんで長らくアルバイトをしていたほど言葉が好きで言語による抽象化能力みたいなところがちょうどハマったなと実感しています。

あと、プログラマーは現実の世界をコンピューターに伝えるためにパズルをしているようなところがあって、現職のSESのような働き方だと、ひたすら問題が降ってくるのでそれをプログラムにしているイメージです。好きなパズルをずっと解いている感覚で楽しいですよ。
パズルゲームが好きな方にはおすすめかもしれません。

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あなたの強みはきっと積み上がっている

ーー女性エンジニアの皆さんにメッセージをどうぞ

今の女性エンジニアは、考えることがたくさんあると思うんです。自分のライフプランとキャリアのバランスだったり、会社の中でどういう役割を果たすかだったり。

社会って仕組みがすぐに変わったりはしないので大変なことは今もこれからもたくさんあるし続いていくとは思うんですけど、その中で「自分は頑張れていない」「全然できていない」とは思わなくていいと思っています。

自分ができることというのは人それぞれ置かれた状況や能力によって違うはずです。でも、自分が取り組んできたことで蓄積してくるものはあると思うので、自分の良さや向き不向きを大事にしながらそれを育てていってくれるといいなと思います。

自分は今すごく頑張っているし、できているという前提でいろんなことをぜひ考えてほしいです。

今思えば、最初の書籍の翻訳を担当した時も実績はゼロでしたから。割と軽率に依頼を受けるのも大事かもしれませんね!

「ルビィのぼうけん」第1弾の出版時。この時は実績ゼロでの挑戦だった

私のエンパワーメントルーティン:子供からの突撃コミュニケーション

ーーとりいさんのエンパワーメントルーティンを教えてください!

今特にはルーティンとして持っているものはないんですが……子供がまだ小さくて、こっちが何か気持ちや意識を切り替えようという前に向こう(子供)からガンガン来るので強制的に切り替えざるを得ないところはありますね。(笑)

子供がいることで、今までの働いていた時間にプラスして仕事が2倍になっているようなものなので、自分に対して完璧を求めなくなったというか、「これくらいでなんとかなるんじゃないの?」みたいな妥協点を探すのが上手になった気がします。

バランスを取りつつある程度手を抜いて生きていくと、世の中は意外と回る部分もあるし、それを回すための工夫みたいな方に振り分けた方が最終的にうまくいったりすることもあるので。ぜひ皆さんも、完璧を目指さずに頑張らない方向を頑張ってください。

最近は、子供がだんだん一人の人間としてコミュニケーションを取れるようになってきたのが楽しいです!

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インタビュー・執筆 髙野いづみ

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