メンバー・地域・お客様の伴走者として。ブランクも知識も、すべてが力に | 木村琴絵さんインタビュー
#女性エンジニアインタビュー
私たちbgrassは、女性IT/Webエンジニアのためのハイスキル転職サービス「WAKE Career」を運営しています。
当社のビジョンは、『"なりたい"を解放する』。 ジェンダーギャップのあるIT業界で、女性・ITエンジニアがチャレンジを続け、自分の「なりたい」を解放することを応援しています。
このインタビューシリーズでは、女性・ITエンジニアとして現在ご活躍されている方に、現在に至るまでの失敗やバイアスからのしくじりなどをお聞きします。 読者の皆さんが、「こんなにすごい人でも、こんな葛藤があったんだ!」「こんなキャリアもあるのか、楽しそう!」と参考にできるような記事をお届けしています!
今回はシリーズ第29弾です。(過去記事バックナンバー #16以降, #1~#15)
今回インタビューをさせていただいたのは、株式会社ジョイゾーで取締役副社長としてご活躍中の木村琴絵さんです。
営業事務からエンジニアへの転身、そして10年の子育て期間を経て現在は開発・マネジメント・DX支援・コミュニティ運営と幅広く活躍されている木村さん。
その歩みには、周囲との関係性を大切にする姿勢が息づいています。
また、都会と地方の架け橋として、技術の力で地域課題の解決に取り組む木村さんの想いと経験から、多くの気づきが得られるはずです。
どうぞお楽しみください!
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業務効率化への関心が、キャリアの転機に
ーー現在のお仕事を教えてください。
株式会社ジョイゾーの副社長として、30人規模の組織マネジメントと開発に携わっています。また、釧路では合同会社Hokkaido Design Codeの代表社員として地域企業のDX支援も行っています。主にkintoneを活用した対面でのシステム開発や、企業のDX支援という形でアドバイザーとして参画しています。
ーーエンジニアを目指したきっかけを教えていただけますか。
高校を卒業して最初は営業事務として働いていたんですが、手書きの見積書作成や計算作業をする中で「この作業はExcelでやればすぐでは……?」って思うようになったんです。実は小さい頃から「なぜなぜ攻撃がうるさい」と両親に言われるくらい質問好きで、その性格が業務効率化への興味に繋がったのかもしれません。
ーーシステム会社でSEへの転身を希望されたそうですね。
システム会社で働いていた時に、画面作成を手伝う機会がありました。当時の私は営業事務で、専門知識が全く無いにも関わらずわからないなりにも積極的に質問しながら働いていたら、結構早く作業できると現場で重宝してもらえるようになったんです。
私が興味を持って取り組んでいる様子を見たからか、当時の上司から「年齢を重ねた時に技術は持っていた方がいい」とアドバイスをもらい、私自身も興味があったのでプログラミングの研修とシステム部への転属の試験を受けることになりました。実は役員の人たちは前例もないし乗り気ではなかったそうですが、思いのほか点数が良くて、落とす理由がないということでシステム部に転属しました。
―― 技術的な知識がない中で開発現場に配属されると苦戦することも多いと思うのですが、どこに成功要因があったのでしょうか。
周りにものすごく恵まれていましたね。わからないことを「やり方を教えてください」って素直に訊くと、手を止めて教えてくれる人たちが多かったんです。事務員時代に「JPGってなんですか」「リサイズってどうやってやるんですか」など、本当にそんな基本的なところから教えてもらいました。
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周りが教えてくれた意外な価値
ーーその後子育てで10年のブランクを経て、復帰を決意されたきっかけは?
子供が生まれる前は、2ヶ月ぐらいで復帰して、仕事をバリバリやりたいとイメージしていたんです。でも子供が生まれてみたら、こんなに毎日成長して、こんなに毎日変化があるんだったらこれは子育ての方が楽しいかもって思って。仕事は1回辞めて、子育てに集中しようと決めました。
子育てをしながら忙しく充実して過ごしていたんですが、2人目の出産後、社会との繋がりというか仕事をしていないことに対して焦りやストレスを感じるようになりました。
当時はちょうどインターネットが普及し始めてきた過渡期で、クラウドサービスなどもどんどん出てきている時代でした。自分の知識がどんどん古くなっているなっていう意識があって、置いて行かれている感がものすごくあったんです。だから、仕事復帰するといってもIT業界では厳しいだろうなと思い、ネイルやパーソナルカラーの勉強をしたりとエンジニアとは全然違う道を模索していました。
そんな中、3人目の子が1歳になる頃、夫が立ち上げたジョイゾーの事業拡大に伴い「SEとして復帰してほしい」という話をもらいました。声がかかるならと、そこをきっかけにSEとしてエンジニアに復帰したんです。

基礎力と経験は必ず活きてくる
ーー10年のブランクを経て、技術面での不安はありましたか?
技術は確かに進化していて、私の持っている知識も古くなっているという意識はありました。今は、対面開発といってその場でヒアリングしてその場でアウトプットするスタイルをとっていますが、復帰当初はウォーターフォール型の開発手法しか知らず、「こんな対面開発なんてやるのは社長だからできるだけであって、他の人ができるわけがない」って、不満を漏らしながら働いていました。(笑)
でも、データベースの知識やシステムを設計する力のようなブランク前に培った基礎力は、開発スタイルや言語、ツールが変わっても使える技術なんだなとやっているうちに気づきました。
ーーお客様との関係づくりで大切にしていることはなんですか?
機能制限をきちんと説明し、できないものはできないと率直に言うことです。昔は「できます」と安易に答えてしまい、後で苦労することも多かったんです。でも今は、できないことをはっきり伝えた上で、「こういうやり方でこんな形ならできます」と提案できる。お客様もお金をかけるか、別の方法を考えるか、自分たちで判断できるようになります。
チームメンバーにも「難しいなと思った時には、断ってもいいよ」と選択肢を持ってもらっています。仮に案件がうまくいかなかったとしても、命を取られることはありません。「代わりに私がいくらでも謝りに行くから、自由にやればいいよ」って伝えています。

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ーー子育ての経験は今の仕事に活きていますか?
活きていますね。そもそも子育てって思い通りにならないことの連続ですよね。子育てを経験したことで思い通りにならないことへの耐性はついたなと思います。
あと、今ジョイゾーはメンバーが30人程いるのですが、組織を考えた時に、1人1人のダメなところを「ダメ」と言っても意味がないんです。ダメなところは誰でカバーするかを考えて、でもすごくいいところは伸ばしたいっていう考え方が子育てと本当に似てるなと感じます。子ども含めて家族もチームだと思っていますし、組織作りの時にも1人1人の個性を大事に考えています。
地方と都会、技術と人を繋ぐ架け橋に
ーー釧路と東京の二拠点で活動されている理由を教えてください。
ITの知識を持っている自分が何か社会に貢献できることを探した時に、自分の地元にまず還元してみるというのが1番身近というか、やりがいがあるなと思って取り組みを始めました。地域の課題って中小企業が中心になっていることが多くて、さらにその課題は基本的にほとんど一緒だと思うんです。だから、釧路で課題解決ができるものは全国でもできるのではと考えています。
ただ、人脈がなかったり地域のことを知らなかったりすると、「東京から来たやつがなんかやってるぞ」みたいになっちゃうので、それは嫌だなって。だから、釧路に拠点やコミュニティを作って、自分が「ローカルであること」と「東京にいること」とのいいバランスを取るようにしています。
地域にどっぷりはまるのではなく、少しだけ離れているとその中間の視点が取れて動きやすいという肌感があったので、現在は2拠点で活動しています。

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ーー女性エンジニアの皆さんにメッセージをどうぞ!
自分に自信を持てない、自分の成果を謙遜してしまう人が多くいますが、それは今まで対応したお客様、一緒に働いてきた仲間との活動を否定していることと同じになってしまいます。
どんな活動でも自分に自信を持つこと。それは分からないことを分からないと言ったり、困ったときは助けて!とオープンにすることも責任を持った行動だと私は思っています。
ぜひ、周りにどんどん助けてもらって、そして成長する仲間を増やして仕事を楽しんでくださいね!
私のエンパワーメントルーティン:サウナと異業種交流
ーー木村さんのエンパワーメントルーティンを教えてください!
サウナと、異業種の方々との交流ですね。サウナでは本当に何も考えないようにして、心をリセットします。
あとは、全然自分の知らない業界の話を聞くのが好きで。システムエンジニアとして、いろんな業界の話を聞くのはすごく楽しいんです。新しい知識が入ってくることで、ワクワクするというか。今ちょっと行き詰まっていることは置いといて、全く新しいことを知るっていうのは、すごくストレス解消になりますね。

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インタビュー:執筆 髙野いづみ
