
女性エンジニアが増える中、「働きやすい会社」の選び方に注目が集まっています。
なぜ今、特定の企業に女性が集まり、長く活躍できているのか。
その理由や企業の工夫、最新の傾向をわかりやすくご紹介します。

女性エンジニアが活躍している会社には、いくつかの共通点があります。
ただ制度が整っているだけでなく、現場レベルでの理解や運用が伴っていることが、安心して働ける環境づくりにつながっています。
ここでは、実際に女性エンジニアが多く在籍している企業に見られる共通点を紹介します。
勤務時間の柔軟性やリモートワークの選択肢があることも、女性エンジニアが働きやすい企業の特徴です。
たとえばフレックスタイム制や裁量労働制を導入しており、自分の集中しやすい時間帯に合わせて業務を進められる仕組みが整っています。
無理なく働ける環境は、結果としてパフォーマンスの向上や長期的なキャリア維持にもつながります。
時間に縛られずに働ける職場では、より主体的にキャリアを築いていける実感が得られるでしょう。
女性エンジニアが多い企業では、育児や介護といったライフイベントに対する支援制度も最低限整備されています。
ただし、こうした制度が「特別なもの」として扱われるのではなく、「誰もが必要なときに使えるもの」として自然に浸透しているのがポイントです。
そして何より、制度を利用したあとに再び活躍できる仕組みや土壌があることこそが、安心して働き続けられる理由のひとつになっています。
たとえ一時的にキャリアを調整する時期があったとしても、そこから再びスキルを発揮できる機会があり、しっかり稼いでいける。
その前提が整っているからこそ、女性エンジニアが集まり、定着しやすくなっています。

女性エンジニアが多く活躍している職場には、制度や文化の面で共通する特徴があります。
ここでは、その中でも特に多くの企業で見られる7つのポイントをご紹介します。
女性比率の高い職場では、社員一人ひとりが安心して働けるよう、入社後のフォロー体制が充実しています。
メンター制度では、業務の進め方だけでなく、職場での人間関係やキャリアの悩みなども相談できる環境が整っており、不安を感じやすい初期段階からしっかりサポートが受けられます。また、キャリア相談窓口の設置など、日常的なサポート体制が整っているのも特徴です。
性別にとらわれず、実力や意欲をもとにキャリアアップできる環境も、女性比率の高い職場の共通点です。
将来を見据えて早い段階からマネジメント経験を積める機会が設けられていたり、管理職候補向けの研修制度が整っていたりと、女性が自信を持ってリーダーを目指せる風土があります。
社内に女性管理職が一定数いることで、後に続く社員にとってもキャリアの選択肢が広がりやすくなっています。
長時間労働の見直しに取り組む企業では、業務効率の改善やプロジェクト進行の最適化が進んでおり、時間外労働を前提としない働き方が実現されています。
労働時間の可視化や、残業の上限設定を通じて、無理なく働き続けられる環境を整えているケースが多く見られます。
勤務地や勤務時間を柔軟に選べる制度も、女性比率が高い企業で導入が進んでいる要素のひとつです。
フルリモート勤務の選択肢や、生活リズムに合わせたフレックスタイム制などにより、自律的な働き方がしやすくなっています。
通勤にかかる負担が軽減されることで、業務への集中度が高まり、キャリア形成にもプラスの影響を与えています。
「くるみん※」や「えるぼし※」、「なでしこ銘柄※」といった外部評価を受けている企業は、女性の働きやすさに対する取り組みが一定以上の水準であることが客観的に示されています。
これらの認証は、単に制度があることを示すだけでなく、実際に活用され、運用されているかどうかも含めて評価されるものです。
企業選びの参考材料としてチェックしておきたいポイントです。
※「くるみん」…子育てサポート企業として厚生労働省が認定する制度
※「えるぼし」…女性活躍推進に積極的な企業に与えられる厚生労働省の認定
※「なでしこ銘柄」…女性活躍を重視する企業を経済産業省と東京証券取引所が共同で選定したもの
性別や年齢、国籍、ライフスタイルの違いを越えて、多様な人材を受け入れ、活躍を支える文化を重視している職場では、女性も自分らしく働きやすい傾向があります。
単なる制度整備にとどまらず、日常的な対話や意識改革を通じて、誰もが対等に意見を伝えられる環境が整っているかどうかがポイントです。
こうした企業では、性別に関係なく、チャレンジの機会が公平に与えられ、かつフェアな評価を受けられるような、長く働ける職場を見つけるヒントになります。
なお、WAKE Careerにご掲載いただいている企業様は、すべて「WAKEジェンダーダイバーシティ診断」をご活用いただき、ジェンダーダイバーシティ推進の取り組みを可視化されています。
性別にかかわらず平等にチャレンジできる環境を求められる方は、ぜひ【WAKE Career掲載企業一覧】もご覧ください。
ライフイベントに向けた支援制度を備えている企業も多く存在します。
ただし、こうした制度が「特別なもの」として扱われるのではなく、誰もが必要に応じて活用できる自然な仕組みとして浸透していることが重要です。
利用後もスムーズに職場復帰できる体制があり、ライフステージの変化に応じたキャリア継続が可能になっています。

転職やキャリアの見直しを検討する際、「自分に合う会社かどうか」を見極めることはとても大切です。
制度の有無だけでなく、実際にどのような環境で働けるのか、どのような支援が得られるのかを具体的にチェックすることで、入社後のミスマッチを減らせます。
ここでは、女性エンジニアが職場を選ぶ際に注目したい6つのポイントをご紹介します。
自分の志向や将来の目標に合った案件を任せてもらえるかどうかは、仕事のやりがいやモチベーションに大きく影響します。
たとえば「設計から関わりたい」「マネジメントに挑戦したい」など、今後のキャリアプランに沿ったアサインが叶うかを確認しておくと安心です。
企業によっては、希望を丁寧にヒアリングしたうえでアサインを調整してくれるところもあり、自分の強みを活かしやすくなります。
研修や勉強会、資格取得のサポートなど、成長を支える仕組みがあるかどうかも重要です。
また、スキルアップの機会が形式的なものにとどまらず、日常の業務のなかで実践的に得られるような環境であるかも見ておきましょう。
実際に新しい技術にチャレンジできたり、幅広い領域に携われたりする企業では、経験を積みながらキャリアの選択肢も広がっていきます。
自分と近い立場で活躍している先輩社員の存在は、将来像を描くうえで非常に心強いものです。
たとえば、同じようにキャリアを積んでマネージャーやリーダーになった女性がいれば、自分にもその道が開かれていると感じやすくなります。
また、後輩の育成に積極的な文化がある企業では、チームとしての支え合いも生まれやすく、働く安心感につながります。
育休やリモートワークなど、制度が整っていても、実際に使われていなければ意味がありません。
可能であれば、制度の利用実績や取得率、運用に関する社員の声などもチェックしてみましょう。
特に、制度を利用した後にどのようなキャリアの道が開かれているかまで把握しておくことで、自分自身の働き方をイメージしやすくなります。
働きやすい環境がある企業ほど、離職率が低く、長く在籍する社員が多い傾向にあります。
特に女性エンジニアの定着率が高い企業は、ライフステージの変化にも柔軟に対応できる体制があると考えられます。
また、管理職に就いている女性や、年齢層のバランスにも注目しておくと、長期的に働けるイメージがつかみやすくなります。
制度や評価だけでなく、日常的なコミュニケーションのしやすさも職場選びの重要な要素です。
たとえば、上司や同僚に気軽に相談できる雰囲気があるか、何かあったときに声を上げられる環境があるかどうかも確認しておきましょう。
困ったときに一人で抱え込まずに済む職場では、安心してチャレンジを続けていける土壌があります。
男女間の賃金格差が小さい企業は、性別にかかわらず公平な評価を行っていることの表れです。
たとえば、OpenWorkが発表した「30歳時点で男女の年収差額が少ない企業ランキング」では、キヤノンやベルパークが男女間の年収差額1万円と評価されています。
企業が人的資本に関する情報を積極的に開示しているかも、企業の姿勢を見きわめる大切なポイントです。
経済産業省がまとめた「人的資本経営の実践事例集」では、従業員の成長や働きやすさに注力する企業の取り組みが紹介されています。
女性管理職の割合が高い企業は、性別にかかわらずキャリアアップの機会が用意されている可能性が高いです。
たとえば、資生堂では2024年1月1日時点で、国内グループにおける女性管理職比率が40.0%に達しています。
男性の育児休業取得率が高い企業は、子育てと仕事の両立を支援する風土が根づいている傾向があります。
金融庁の資料などでも、育児支援に積極的な企業の取り組みが紹介されており、性別に関係なくライフイベントに寄り添う姿勢がうかがえます。

女性エンジニアの活躍が注目される昨今、IT業界でも多様な働き方や公平な評価制度を整備する企業が増えています。
ここでは、女性エンジニアが実際に活躍しやすいIT企業を厳選してご紹介します。
【業種・事業内容】SIer、ソフト開発、システム運用
【外部評価】なでしこ銘柄(2019年)、健康経営優良法人(2024年)、プラチナくるみん認定、能力開発優秀企業賞、働きがい認定企業(2023年)
出産や育児との両立を想定した働き方支援制度が充実しており、復職後のキャリア支援にも力を入れています。
女性の昇進や管理職登用にも積極的で、性別に関係なく能力を評価する環境づくりが進められています。
【業種・事業内容】SIer、ソフト開発、システム運用
【外部評価】えるぼし認定3段階目(2017年)
時短勤務やリモートワークなど、多様な働き方の選択肢が整備されています。
実際に制度を活用しながらキャリアを継続する女性も多く、性別を問わず活躍の場が与えられていることが伺えます。
【業種・事業内容】SIer、ソフト開発、システム運用、コンピュータ・通信機器関連
【外部評価】えるぼし認定(3段階目)、くるみん認定(複数回)、日経WOMAN「女性が活躍する会社ベスト100」連続選出
自宅勤務や柔軟な勤務形態の導入が早くから進められており、女性社員の定着率も高いとされています。
職場には女性管理職が多く、長期的なキャリア形成の参考となるロールモデルの存在も魅力です。

引用:アクセンチュア株式会社
【業種・事業内容】コンサルティング、SIer、システム開発・運用
【外部評価】えるぼし認定3段階目、くるみん認定、働きがい認定企業(2021年)など
多様な働き方への対応と、ライフイベントに応じた柔軟な支援制度が整っています。
不妊治療支援制度などもあり、個人の状況に応じた選択肢が提示される点は、女性エンジニアからも注目されています。
【業種・事業内容】SIer、ソフト開発、システム運用
【外部評価】プラチナくるみん認定(2019年)
女性のキャリア形成支援に力を入れており、メンター制度や評価制度の見直しを進めています。
女性管理職の登用にも前向きな姿勢を示している企業です。

女性エンジニアとして、自分の力を発揮できる場所を見つけたい。そう思っても、たくさんの選択肢の中から、自分に合った職場を選ぶのは簡単なことではありません。
ですが、少しずつでも準備を進めていけば、きっと自分らしく働ける場所にたどり着けます。
ここでは、そんな一歩を踏み出すためのヒントをお届けします。
まずは、興味のある企業や業界について、丁寧に情報を集めてみましょう。
公式サイトだけでなく、キャリア情報サイトや転職支援サービスなども活用することで、社風や働き方の傾向がより具体的に見えてきます。
その際、「女性エンジニアの在籍割合」や「柔軟な働き方への対応」など、自分にとって大切な軸をもとに、複数の企業を比較することが大切です。
表面的な条件だけでなく、自分が納得して働けそうかという視点で見ていくと、自分に合った職場が少しずつ見えてきます。
企業の雰囲気や実際の働き方を知るには、現場で働く人の声に触れるのが一番の近道です。
たとえば、イベントや交流会、カジュアル面談などの機会を通じて、実際にその会社で働く女性エンジニアと話をすることで、求人票だけではわからないリアルな情報を得られます。
少し勇気がいるかもしれませんが、現場の声を知ることで「思っていたのと違った」というミスマッチを防ぐことにもつながります。
「何から始めたらいいかわからない」「一人で進めるのが不安」という方には、女性エンジニア向けのキャリア支援サービスの活用もおすすめです。
たとえば、キャリアの方向性について相談できるサポートや、女性が活躍しやすい企業の紹介、過去の転職事例など、今の悩みに合わせた情報がそろっています。

引用:WAKE Career
キャリアのことを考えると、焦りや迷いが出てくるのは自然なことです。
でも、その不安こそが「今、ちゃんと前を向こうとしている証拠」だと思います。
これまでの経験を無駄にせず、自分らしく働き続けるために、信頼できるサポートに頼るのも一つの選択肢です。
たとえば、WAKE Careerのようなサービスを活用すれば、女性エンジニアのキャリアに特化した情報や、相談できる仲間に出会うことができます。
あなたが大切にしていることを尊重し、実力をしっかりと評価してくれる職場はきっとあります。
まずは気軽な一歩から。
あなたらしいキャリアの形を、一緒に探してみませんか?