育児や介護、ブランクがあると、「今の自分に選べる働き方は限られる」と感じることがあるかもしれません。けれど、短時間勤務やフルリモートといった言葉の中身は、会社によって大きく違います。このコラムでは、自分の事情を「条件」に言い換え、制度が実際に使われている職場を見分けるための考え方を紹介します。
求人票に「時短可」「リモート可」と書かれていても、その中身は職場ごとにさまざまです。
短時間勤務といっても、1日の勤務時間を短くする形もあれば、週の勤務日数を減らす形もあります。リモートワークも、完全に在宅で働けるのか、週に何日か出社が必要なのか、出社の日を自分で選べるのかで、暮らしへの影響は大きく変わります。
ほかにも、始業・終業の時間を調整できるフレックスタイム、勤務時間の途中で一度業務を離れられる中抜け、時差出勤など、働き方を支える仕組みはいくつもあります。
大切なのは、「時短かリモートか」の二択で考えないことです。自分の生活に本当に必要なのは、時間の短さなのか、場所の自由なのか、それとも時間の融通なのか。そこを分けて考えるだけで、選べる職場の幅は広がります。
働き方を選ぶ最初の一歩は、自分の事情を具体的な条件に言い換えることです。
たとえば、子どもの送り迎えがある場合、「時短勤務が必要」と考える前に、「何時までに業務を終えられればよいか」「朝は何時から働けるか」を書き出してみます。もし夕方に一度抜けられれば、夜に少し作業を足すことで勤務時間は短くしなくてよい、という人もいるかもしれません。
介護の場合は、予定が読めない対応が起きやすいことも考えられます。その場合は、勤務時間の長さよりも「急な中抜けや在宅への切り替えができるか」のほうが重要になることがあります。
こうして言い換えると、「この条件は必ず必要」「できればうれしい」「実はこだわらない」という優先順位が見えてきます。優先順位が見えると、求人を見るときも面接で質問するときも、迷いが少なくなります。
働き方の制度は、就業規則に書かれていても、実際には使いにくい職場もあります。見ておきたいのは、制度が日常的に使われているかどうかです。
確認のヒントとして、次のような点があります。実際に短時間勤務やリモートで働いている人がいるか。会議が特定の時間帯に固まっておらず、勤務時間が違う人も参加しやすいか。仕事の進み具合がチャットやドキュメントで共有され、その場にいなくても状況がわかるか。そして、働く時間や場所ではなく、成果や役割で評価される仕組みになっているか。
特に評価の仕組みは、長くキャリアを続けるうえで大切です。短い時間で働いていても、任された役割をきちんと評価され、次の仕事やポジションにつながる職場であれば、今の働き方が一時的なものになっても、キャリアは途切れません。
面接では、「実際にこの働き方をしている方は、どのような役割を担っていますか」と聞いてみるのも一つの方法です。答えの具体さから、職場の実情が見えてくることがあります。
ブランクがあることを、引け目に感じる必要はありません。育児や介護に向き合った時間は、生活の中で優先順位をつけ、限られた時間で物事を進めてきた時間でもあります。
面接で伝えるときは、謝るのではなく、事実と今の状況をシンプルに話すのがおすすめです。どんな理由で離れていたのか、今はどのような働き方なら安定して続けられるのか、そしてこれから何をしたいのか。この3点がそろえば、聞く側も働く姿を具体的に想像しやすくなります。
もし復帰に向けて学んでいることがあれば、それも伝えてみてください。ITやAIの分野は変化が速い一方で、オンラインで学べる教材も多くあります。小さな学びでも、「今に向けて動いている」ことが伝わります。
最後に、今日試せることを一つ紹介します。
紙やスマートフォンのメモに、「必ず必要な条件」「できればほしい条件」「こだわらない条件」の3つの欄をつくり、働き方に関する条件を書き分けてみてください。勤務時間、出社の頻度、終業の時刻、中抜けの可否など、思いつくものからで大丈夫です。
書き出してみると、必須だと思っていたことが実は「できれば」だったり、逆に見落としていた条件に気づいたりすることがあります。このメモは、求人を見るときにも、キャリアアドバイザーに相談するときにも、そのまま使える自分だけの判断軸になります。
WAKE Career では、企業の活躍データをもとに、一人ひとりの事情に合う職場を一緒に考えています。条件の整理に迷ったときは、そのメモを持って気軽に相談してみてください。
働き方は、そのときの暮らしに合わせて選び直していいものです。今の自分に合う形を見つけることが、キャリアを続けていくいちばんの近道になります。